2001/07/03 (火) 前歯



毎日暑い。
土曜日からの連休、ほとんど家でゴロゴロ。エアコンかけっぱなしで電気代が怖い。


最近ちょっと歯が痛い。虫歯じゃないけど。アタシの前歯は子供の頃の怪我で中央の4本をブリッジにしてる。
これがさすがに耐久年数を超えてきたようで、そろそろ作り変えなきゃならない時期だ。
10才で怪我をして、その後16才で大人仕様に作り直して、ついに今度は年寄り仕様?
やはり年齢とともに歯茎は痩せてくるので、少しづつ隙間ができてガタつき始めたらしい。
覚悟してたけど、結構お金がかかる。定期預金ひとつ崩すしかないか。
夏場は治療向きじゃないから、LIVE終って涼しくなってから治療始めようかな。それまではだましだまし。


そもそも前歯を折ったのは、学校でクラスの男子に足をひっかけられてコンクリの床に転倒したからだ。
その男子は事件の晩に母親に連れられて謝罪に来た。そして初回の治療費を置いていった。
確か当時で10万円程だった。それだけでチャラにされてるが、その後の治療に軽く80万は掛かっている。
そしてまた今度それなりの金を掛けなきゃならない。なんだかハラが立つ。


お金の面はもちろんだが、この怪我のせいでアタシはかなりの苦痛とトラウマを受けた。
怪我した当時は治療が上手くいかなくて本当に痛い思いをしたし『歯っ欠け・入れ歯』とはやし立てられたこともある。
体調の悪いときには、その「入れ歯」が突然取れてしまう夢を見て飛び起きることもある。それは大人になった今でもだ。
アタシに怪我をさせたその男子は、卒業の寄せ書き色紙に『歯っ欠け女』と書いた。
こいつだけは死んでも許さないと思った。
怪我をした時ではなく、この時にだ。
アタシはいじめられっこじゃないし、気の強いほうだったから、からかわれたぐらいじゃ負けてなかったけど、
この時だけはショックでしばらく呆然としてた。
他の誰がアタシの前歯を揶揄しようと、お前だけはやっちゃいけないだろうって。
かばってくれなくたっていい。ただ自分が関わった事故が原因なんだって判っててほしかっただけだったのに。


その男子ももういい中年だ。今頃どうしているだろう。子供だっているかもしれない。自分がしたことを覚えているだろうか。
いつまでも忘れないアタシを執念深いと思うのだろうか。
でも被害者と加害者とはそういうものだ。たかが前歯が折れただけのちいさな事件だったとはいえ。