2002/06/22 (土) 『模倣犯』読了 (1)

昨日は仕事のあと友人と夕食。
友人とアタシの終業時間がうまく合わなくて時間が空いたんで、待ち合わせまで持ち歩いていた『模倣犯(下)』を読む。
友とひとしきりお喋りして別れたあとの電車でも、とにかく読み倒す。
自宅に戻ってメールチェック等々を済ませたあとは、もう腰を据えて読む読む。ひたすら読む。
明日は休みだ。何時まで読んだってかまやしないわ。…が、さすがに朝の6時台になってくると活字が頭に入って来なくなる。
ここで、昼まで寝てその後また読もうと決心して本を閉じる。

 ∞*∞

目覚めたら午後4時10分前だった。あらら。忘れていたが今日はピアノだったのだ。
練習なんてしてないが、まぁいいやと行く。センセには正直に「模倣犯を読んでいたので練習してない」と打ち明ける。
センセは苦笑いだ。なぜならこの本を貸してくれたのは、ほかならぬセンセの旦那さんだからだ。
レッスンもそこそこに家に戻り、途中で仕入れてきたおにぎりを食べながら続きを読む。
デリスマとスマステはビデオに任せて読み進む。今、いいとこなのだ。慎吾ママや中居MASAKOどころじゃーない。

 ∞*∞

下巻を読み始めたのが金曜の出勤時の電車の中。そして土曜日午後11:30に読了。
疲れた。アタマ痛い。

さて、というところで感想というか、思ったことなどを。

 ∞*∞∞*∞

これを単純に“映画”にするのはムリだ。(いや、もう公開されているが)
これはピースだけの話ではなかった。
有馬の話であり、滋子の話で、真一の話で、武上の話で、そして、カズの、ヒロミの、由美子の、めぐみの…すべての人物の話だった。
これはどうやっても2時間の枠に映像化なんて出来ないよ。
長編だからということだけでなく、一方の側面からだけで映像化しても、それは「模倣犯」のストーリーの中の1部にしかならないし。
だからきっと映画自体は監督の言うように「(自身の)読後感の映像化」なのだろう。それを心に置いて観ようかなと思う。

アタシは特にネタバレ嫌いというワケではないので、映画の宣伝番組も雑誌も普通に目を通している。
でも公開後はネタバレ系には近づかないようにしていたので、原作とは違うというラストだけはかろうじて知らないでいる。
「こういうラスト(映画の)じゃないなら、どういう終わり方なの?」と思いながら原作を読みたくなかったのだ。
出来れば原作の〆め方知ったうえで、映画のほうを「そうきたか〜」と観たかったのだ。ラストがちょっと…という評判も目にしてたから余計にね。

小説としての好き度はどうかというと…うーむ、どうだろうな。
話題作で読み応えもあるし、いつかは読まなきゃと思ってて、充分面白かったけど。
でももしこれが中居サンの主演作でなかったら、これほどに集中して読まなかっただろうなとは思う。
普通に“ミステリー好き”の読書の中の1冊として通り過ぎてしまったかも。
なのに徹夜してまでの勢いで読み倒したのは、登場人物に映画のキャストの顔を当て嵌めながら読み進める楽しさにハマったせい。
ちょっと面白い2時間ドラマを観ていて、途中で観るのを止められなくなるように。
中居の顔をしたピースが嘲笑い、津田さんのヒロミが狂気し、藤井くんのカズがうろたえ、山崎氏の有馬が憤怒る。
自分でも面白いなと思ったが、小池栄子明美が赤い車の助手席から「この子なぁに〜?」とバカっぽく喋るシーンまで、
やけにしっくりとアタマの中に浮かんできたりしたのだ。
これはキャスティングの妙なのか?それとも、これでもかというくらいの前宣伝にアタシがまんまと嵌められたということなのか?
特に角川書店の「中居正広 in 模倣犯〜ピースの世界〜」は想像力を刺激されたし。

アタシが想像したいくつかのシーンは、実際は映像の中には出てこないかも知れない。なにしろたった2時間だ。
だからこそ原作を先に読んでよかったなぁと思ったりして。
出来あがった画を見せられるまえに、自分の中で充分キャストを(特に中居を)動かし、喋らせ、楽しんだからね。
結果として「VISUAL BOOK → 原作 → 映画」これが“スマファン&ミステリ好きのアタシ”が『模倣犯』という作品を楽しむのに一番良い流れだったのかも。
…ラストの映画が(アタシの中で)大コケしなければ、だけどね。
多分、来週中には観に行けるだろうな。
観たあとにアタシがどんな感想を抱くか?自分でも楽しみだ。